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2011年4月 5日 (火)

震災後のこころのケア 2 PTSD

都内で相談業務に従事しておりますが、震災後、皆さんから寄せられる相談の内容が少し変わってきています。

怖くて怖くてたまらない。



自分はここにいて良いのだろうか。

なにもできない自分がゆるせない。

悩んでる場合じゃないですよねえ。


本当に大きな出来事だったんですから、いいんですよ、それで、、、、、






このように人は、大きな災害にあったことで、強いショックをうけますが、被災地の方々は実際にその生活も大きく変化します。

家を失い、家族を失い、町を失い、仕事を失った人たちは

「命があって良かったじゃない。」

そんな言葉を素直に喜ぶことができません。

自分は何かできることがあったのじゃないだろうか。
自分は生きていて良かったのだろうか。
こんなことなら死んだほうがましだ。




さまざまな思いでそこに立ち尽くすのです。

小さい子供は、今までと違う毎日と、大人の緊張や不安をつぶさに感じます。
しかし、それをどう処理して良いのかわからないので、なにごともなかったかのようにふるまったりします。
しかし、夜突然泣き出したり、自分より小さな子に対して意地悪をしたり、暴れたりすることもあります。

よく「絵を描かせると、、、、」

と言いますが、別に絵なんか描かせなくても、その痛みを感じることはできるはずです。
絵を描かせる?!ことよりも大切なのは、寄り添ってあげることではないでしょうか?

それでは被災後の心理的反応を見てみましょう。

1:感情、思考の変化
茫然自失;強いショックを受け、なにもできない状態
抑うつ状態、強い怒り、悲しみ、混乱、無感覚

2:身体的変化
恐怖と不安のため、過度の緊張によるストレス症状があらわれる。
下痢、吐き気、めまい、頭痛、食欲不振、不眠、過呼吸、震えなど、、、

3:行動の変化
感情の変化が行動に現れる。
怒りの爆発、やり場のない悲しみ。
そこから過食、拒食、アルコール依存、暴力行為など




そうした変化に心と身体は揺さぶられますが、一時期的なものですまない場合、鬱病やPTSDとして症状が現れる可能性もあります。




ではそうしたゆさぶり;ストレスが長期化された場合、どういった症状がでてくるのでしょうか。




1、PTSD症状

なんらかの強いストレス=外傷を受けた後、フラッシュバック、悪夢、子供の場合再演といった形で再体験される。

眠れない、神経過敏、緊張、不安など、過覚醒が続く。

上記、再体験や過覚醒を避けるため、回避や麻痺の状態に陥る。

なお、だれでも強いストレスにさらされた場合、不安や緊張をおぼえるものであり、極めて自然なことである。しかし、それが長引いた場合、状況が改善されないような場合、ADSD(急性ストレス障害)⇒PTSDと症状が出る可能性がある。

したがって誰もがPTSDになるとは言いきれない。

ただ、自分は大丈夫という問題ではないので、おかしいと思った場合は休む、こころの内を話す、誰かにそばにいてもらう、専門家の力を借りるなど、対処する必要がある。


2、社会生活への不適応

外傷体験をうけとめることができないことや、自分のキャパシティを越えた不安、緊張、恐怖をコントロールできないことに対して、自己喪失感を覚える。また生活の建て直しに追われる中で、そんな自分を誰も理解してもらえないと思ったとき、周囲に対して拒絶反応や、孤独感を募らせ孤立してしまう。






3、精神的疾患

上記、外傷体験のダメージが強いときや、死別、失職、家屋の損失などの生活の変化が重なることにより、うつ病、不安障害、恐怖症、心身症などの精神疾患が生じやすい。また、アルコールや喫煙、薬などに依存しやすくなる。

文部科学省⇒http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/clarinet/002/003/010/005.htm#a01

以上、被災後のこころの変化と、PTSDについてご紹介いたしましたが、その対処はどうしていけば良いでしょうか?




まず、守られていると感じられること。


これはマズローの欲求5段階説にも通じますが、安全と安心が保障されない状況で、人は夢や希望など語ることはできません。

環境的、身体的、精神的な安全と安心の保障が求められます。

安らかに眠れる住居、あたたかく明るい室内、そして安全な水。

緊張や不安から逃れるために、過度の飲酒、過食などに走る傾向がありますが、依存には注意しないといけません。



怖かったね、辛かったね、その思いに寄り添う必要があります。



また、被災地では、すべてを奪われてしまったため、援助される側である自分に対してのやるせなさが、ますます自分を追いつめ無力感に陥る可能性があります。

自らの意思で生きているという実感を得るためにも、無理のない程度に役割が与えられる必要もあるでしょう。

なかなか自分の思いや感情を口にすることはできませんが、身体の緊張や疲れは口にしやすいものです。



肩こってませんか?眠れますか?ちゃんとご飯食べてますか?



そんな挨拶程度の声かけが大切です。





援助する人は、「あなたの体験したことはあまりにも大きくて、残念ながらわかることなどできないです。だけどせめて想像してみます。そして、こうしてそばにいますから、、、、、





そんな思いで寄り添うことしかできないのだと思います。







無力な自分を責めることもないでしょう。

援助する方、される方、共に小さな小さな存在です。






バーンアウトしないように。

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心と体」カテゴリの記事

コメント

死にたいです。過食ばかりしてしまいます。過食後はいつもひどい罪悪感と自己嫌悪です。明日からはもう過食止めよう。と思うのに・・・。やめれません。最近は食べているとき以外は死にたくなります。病気ですよね。でも、病院に行っても「過食症は自分との戦いです。薬や通院では治りませんよ」と言われました。どうしたらよいのかわかりません。

投稿: もも | 2011年4月 6日 (水) 13時39分

ももさん
コメントありがとうございます。
過食をやめられず罪悪感と自己嫌悪で苦しいのですね。
頭の中が食べることで占められて、それ以外のときは死にたくなるけれど、過食をやめられない、、、、
そんなももさんの苦しみが伝わってきました。

戦いというと重い響きですが、20年、30年かけて出来上がった今までの自分を、もう一度見直すには時間がかかるんだなあと思って、どうかゆっくりゆっくりご自分に向き合ってあげてください。

苦しみながらもこうして、今まで生きてきたんですから☆

投稿: hearty | 2011年4月 7日 (木) 10時34分

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