人生脚本 2 ダイアナ妃と彼の場合
先回は脚本の形成の初期、幼児期の決断についてお話いたしました。
親とのかかわりを原点に、他との関わりや今後の生き方、人生の基本的な構えを決めていくということでした。
では脚本ってどんなもの?ということで、故ダイアナ妃の脚本をご紹介しますね。
まず彼女には亡くなったお兄さんがいます、その兄の存在により「自分は男に生まれてこなくてはならなかった、しかし女として生まれた」と、その存在を受け容れることができず、常に私は私として生きることができない生きづらさを感じながら成長します。
また両親の離婚を経験しますが、愛する父親の再婚に際して、自分は見捨てられるのではないかと心を痛めます。
そうしてチャールズ皇太子と結婚し皇太子妃となりますが、チャールズは父親のように自分を認め、ほめてくれる存在だったと語っています。また最後の恋人エマドには、亡き父親の形見を贈り、父の代わりのように慕ったようです。
このように彼女の脚本は自分をゆるすことができない状態から始まり、父の愛を求め続けるというテーマがあったのかもしれません。
さて生前、ダイアナ妃に関して、過食嘔吐、自殺未遂、不倫など、さまざまな精神不安のようすが伝えられてきましたが、同時に彼女は自分の痛みと同じか、それ以上に人の痛みを感じる人でしたので、地雷撲滅のための広告塔として危険地帯を自ら歩くことを志願したり、エイズ患者の支援など、常に病める者へ手を差し伸べる人生を送りました。
ダイアナ妃は皇太子妃という一見華やかな地位にありながら、その内面は自分のありのままの性を受けいれることができず、常に満たされぬ思いを抱えて生きていたのかもしれません。また人を喜ばせることや、誰かに愛を与えることで初めて赦され、存在することができるというのも彼女の脚本だったのではないでしょうか。
以上、チーム医療「あなたが演じるゲームと脚本~杉田峰康」を元に書きました。
先回も申し上げましたが、幼い子は少しの言葉によって自分の人生を決断してしまいかねないということがおわかりいただけましたか。
そんな決断だなんて大げさなことかもしれないですが、大人だろうと子供だろうと誰だって自分ひとりを愛して欲しいし、みて欲しいものです。それなのに「オマエが生まれる前にひとり男の子がいたんだよ、あの子が生きていたら、、、」と、繰り返し聞かされたらどうでしょう。
と、宮部みゆきさんの「模倣犯」のヒロミがまさにその呪縛に苦しんでいましたっけ、、、、
さて私の知り合いですが、もう40半ばという男性で「ウチは女4人続いた後にやっと男が産まれて親も喜んだのに、その子がすぐ死んじゃって、その後に生まれたのがオレなんだよねえ、、、、もしさ、その子、オレの兄貴?が死ななかったらオレはこの世にいなかったわけじゃん」とシミジミ語る人がいました。
フツウ人間は同じ生きるなら幸せに生きたいねなんて前向きさを感じるものですが、その方からは、オレだけ幸せになるわけにいかないよねえなんて思いが感じられます。
独身で、非常に親孝行で、先祖供養も欠かさない人でとーってもいい人なんですが、すべてに淡白です。「別に、かまわないよ、いいんじゃないの」って物わかりがいいと言うか、やさしいというか、、、、
えぇーーーー!!!亡くなったお兄さんって、会ったことも見たこともないお兄さんでしょ????そんなことあなたに関係ないでしょ、今を生きればいいんじゃないの、、、、、亡くなったお兄さんの分もしっかり生きて、もっともっと幸せになればいいのに、、、なんて思っちゃいますが、そういった言葉が彼をますます追い詰めるのでしょう。
また彼が言うには、親御さんは、ひとりの子を失った後にその男性を産み、ちょっとナーバスになっていたのもあって、ずいぶんスポイルされたと言います。
その男性もそれに応えようとして期待通りの良い子であろうとするし、二度と誰かが悲しんだり犠牲になってはいけない、自分の人生はすでに誰かの犠牲あってのものだからと考える生き方をするようになったのかもしれません。
亡くなったお兄さんがいようがいまいが、人は皆幸せになっていいんですよね。
しかし人は論理的に成立しないことや、誤った認知=イラショナルなビリーフによってゆがんだ脚本を作っていきます。
そうするとせっかくのチャンスの場面で「ダメだ、オレは本来産まれてくる予定がなかったんだ、、、、」とはいかないまでも、「はい、はいわかりました=誰かが悲しい思いをするよりはいいや」と簡単に譲ったり、どこか淡白な選択をしてしまうのかもしれません。
今日も長くなってしまいましたが、脚本ってどんな感じかおわかりいただけましたか?次回は前回ワークショップを通して深めた自分自身のことをお話しますね。
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