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2009年2月12日 (木)

旅のすすめ 2

ところで先日読んだ「あなたの心が壊れるとき」という精神科医高橋龍太郎先生の本。

彼が人生で出会った各種精神疾患のかたがたのようすと、各種疾患に対する考察がとてもとてもわかりやすく納得の一冊でした。

また彼自身の青春と自己開示が率直に語られており、それも非常に好感が持てました。ちなみにこの方、自らの名を冠したコレクションを展開するほどの、日本を代表する現代アートコレクターです。

私も現代アート大好きなのでシンパシー☆

そんな一冊の中で、ちょっと考えさせられたことがありました。

アパシー;誰でもなにかの出来事がきっかけになって一時的に無気力になったり、引きこもってしまう時期があるかもしれません。青年期のモラトリアムと言って「オトナになるまでの猶予期間」という大儀をかざしてしまえばそれまでですが、それが本格的に長引いてしまうとどうでしょう。

気づくと30代、そのまま40代までひきこり、、、なんて聴くと複雑です。

この本の中で「そんなアパシー引きこもりから脱するためにも旅をすすめます。特にアジアや南米など新興国が良い,未開の地、厳しい自然の中で必死に生きる人々の姿を通して真に生きるとはなにかを感じて欲しい」といったようなくだりがありました。

著者である高橋先生自身も国際協力事業団の医療専門家としてのペルー派遣をきっかけに苦しい時代を乗り越えることができたといいますし、言わんとすることはもっともだと思います。

インドに行ったら自分がいかにちっぽけなものだと思ったとか、NYに立ったときまだまだ世界は広いんだと思ったとか、アフリカの大地の広さに感動した、飢えた人々をみたとき恵まれている自分に気づいたとかそういうの良く聞きますよね。

ただ、私の考えとしては本人の自覚があろうがなかろうが、不安定な精神状態のときに旅をすることはちょっとあぶないなあと。

*留学も然りです。新興国だろうと先進国だろうと。

まず肉体的に、どんな健康な人でも環境が変わればなんらかのストレスをおぼえるものですよね。

飛行機に乗るという行為そのものも、体にとってはストレスであることは周知かと思いますが、現状においてすでに限りなく抑うつ状態だったり、すでにアパシーな方に「外の世界をみなさいっ」とはいえないなあと思うのです。

日本にいてイジメにあった、それで引きこもりになった、だったら海外の誰も知らないところで一からやりなおしなさいと、親がイギリス留学の手続きをしてしまったという女性や、なにもしないよりした方がいいと思ってと海外でボランティアをしている人など、自分の確固たる意思とは別になんとなく海外に滞在しているような方にお会いしたことがありますが、皆、見捨てられたような行き場のないような感じ、帰るところさえ感じられないままそこにいるような感じを、言葉の端々に含ませていたのが印象的でした。

もちろん異国で必死に暮らすうちに、もう一度自分自身を見つめ受け容れることができる可能性もあるかもしれません。

しかしまだ10代半ばでイジメにあった傷が癒されないまま、逃げるように異国にやってきたという方に数人出会ったことがありますが、異国の地でも引きこもっていらっしゃいました。そして留学先の学校にもなじめないまま、ひっそりと。

バックパックを背負って旅なさる方でもせつない人はたくさんいます。

皆がバカンス:あくまでひとときの旅をしているとき、その人の旅は始まりはともかく終わりというものがありませんでした。

それはまるで永遠の夏休みとも言えそうですが、「今、自分がこの国にいることを知っている人はどれだけいるのだろう、自分が日本にいないということに対して皆はどう思うのだろう、そもそも誰にも言わずに出てきたじゃないか、行ってきますも、ただいまも言うことのない人生を送っていた自分はなんなんだろう」と、一日中宿から出ることなく、ひたすらわが身を振り返る日々をすごす人と出会ったこともありました。

それでもなんらかの気づきを得たのなら旅をして良かったと思われるかもしれませんが、、、、

中には、自暴自棄になりドラッグにおぼれたり事件に巻き込まれたりする人もいます、またそれだけ弱っているときには病気に罹る可能性も高いです。

私は今まで何をして生きてきたのだろうと俄然やる気になるのなら拍手ですが、「あぁ、やっぱり私はダメなんだ」とドーンと落ち込み沈没=またも引きこもり。

サイアク帰らぬ人になってしまったケースもあります。

旅には想像を超えるような楽しみと、同じようにさまざまなストレスの存在があるということをお忘れなく。

ですから誰にでも旅をすすめるわけではないということをお伝えして今日は終わります。

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